脳内 日本一周 初日 ♯8
界 長門 1
長門湯本温泉の街全体をメインプロデュースした、星野リゾートが運営する『界長門』は2020年3月にオープンした新しいお宿だ。藩主のお茶屋敷をテーマにしたお宿は、武家屋敷とも思える、黒い外壁が街の雰囲気と一体化して、独特の佇まいを醸し出している。ホテルのチェックインはお部屋で出来るのも嬉しいサービスだ。お部屋にはオリジナルの作務衣が備え付けてあり、ホテルの前に流れる音信川(おとずれがわ)を、そぞろ歩きを楽しむことができる。
ホテル前には、誰でで訪れる事ができる「あけぼのカフェ」があり、そこではどら焼きを買うことができる。
さて、長門湯本温泉の街を見て回ろう。
長門湯本温泉の街
長門湯本温泉は、2017年から約4年をかけて、街全体をリノベーションしたわけだが、長門湯本温泉のロゴマークを見てもわかるように、街の中心を流れる音信川(おとずれがわ)を中心に、たくさんのお宿や飲食店などがある。
さっきの「あけぼのカフェ」で買った、どら焼きを片手に川辺を歩いていくと、京都の川床を思わせるような、休憩スペースがあり、川面を渡る涼しい風にあたりながら、稚鮎の泳ぐ川のせせらぎを聞いて、のんびりとした時間を楽しむ事ができる。少し歩いていくと、街のシンボルでもある『立ち寄りの湯 恩湯』がある。ここは誰でも訪れることができる公衆浴場だ。公衆浴場と言っても、街のリノベーションと合わせて改装されたようで、無垢の木材おそらくはヒノキの板材で囲われたその建物は、平屋建ての落ち着いた雰囲気の建物だ。こちらの『恩湯』は、珍しいことにその源泉が岩盤から湧いている。その湧いているところも見ることが出来るのだ。また、湯船の深さもおよそ1mとかなり深い事も特徴だ。水圧で血行促進効果もあるようだ。
『恩湯』の向かいには『恩湯食』という軽食からディナーまで楽しめる飲食店がある。ここも、『恩湯』の外観とマッチする統一感のあるデザインの建物で、街の瀟洒な雰囲気を作り出している。
以前、来た時の昔ながらの『湯本温泉』と、今の『長門湯本温泉』とは全くの別物だ。しっかりとブランディングされ、しばらく滞在して街全体を回遊して楽しめるような観光地になっている。僕が住んでいる九州にもたくさんの温泉地があるが、街全体がブランディングされた、温泉地は少ない。別府や黒川温泉ぐらいだろうか・・・
他にも、階段脇に竹林を配置して、夜にライトアップされる『紅葉の階段』や、川を渡れるように飛石のように配置されている岩など、至る所にアイデアが盛り込まれ、訪れる人を楽しませようとしてくれている。
しばらく滞在するのもありだが・・・日本一周した後に、奥さまと来るとしよう。