美肌県 しまね
『美肌が結ぶ縁(えにし)』
今回の旅では、山口県から『SLやまぐち号』と共に津和野町に入ったわけだが、全国的にも『萩・津和野』は一体の観光ルート感がある。
しかし、津和野町が『島根県』であるという事を、意外と思う人は多いのだろう。僕もその一人だった。また、『島根県』は『出雲大社』などの印象から神話や縁結びのイメージを持つ人も多いが、温泉や美肌をイメージする人は少ないのではないだろうか。
『出雲大社』や『宍道湖』、最近では世界遺産にもなった『石見銀山』などの観光地のネームバリューが大きいのだろうが、温泉を観光資源として十分にアピールできているのだろうか。しかも、大手化粧品メーカーが行っている「ニッポン美肌県グランプリ」では、過去に5度もグランプリを受賞している事や温泉の美肌効果をもっとアピールできれば、女性の観光客はもっと増えていくのだろう。
そこで、今回の旅では島根の代表的な温泉地を訪れていきたい。
いろいろな温泉地もあるが、今回の旅で予定している温泉地は次の7箇所だ。
島根の温泉は開湯が古い温泉が多く、歴史的な書物にも登場してくる温泉地が多い。
島根の温泉の中でも代表格になるのは、知名度や歴史からしてもやはり『玉造温泉』なのだろう。開湯は奈良時代と言われ、700年代に編纂された『出雲風土記』にも記載がある程だ。
『出雲風土記』には、
『一度入浴すればお肌が若返るようになり、二度浴すればどんな病も治癒してしまう。その効能が効かなかった事は聞いたことがないので人々は神の湯と呼んでいる』
の記述もあり、また清少納言が記した『枕草子』にも玉造温泉の記述も残っている。
泉質は、ナトリウム・カルシウム・硫酸塩・塩化物泉(弱アルカリ性)である。
特に最も多く含まれている硫黄イオンがお肌へたっぷりと水分を補給し、ハリとみずみずしさを与えてくれる。また次に多く含まれている塩化物泉がお肌に塩の膜を作り保湿作用を持続してくれる。
700年代から美肌の湯として記される効能が、1300年後の21世紀の現代まで続いているという事は、大地の恵みというより奇跡の一つなのだろう。
それでは、今回の日本一周での島根県のテーマとして『美肌が結ぶ縁(えにし)』として、島根県の観光地や温泉地などを訪れていきたいものだ。